沖島博美氏の『旅名人ブックスウィーン』と山口俊明氏の『ウィーン旅の雑学ノートーハプスブルクの迷宮を極める』を読んだら、
ウィーンの森に行きたくてたまらなくなりました。
沖島氏「ウィーンにまで来て何でまたわざわざハイキングなんだと思われるかもしないが、これがなかなか味わい深い。
ところでこのウィーンの森は、実はれっきとしたヨーロッパ・アルプスの一部である。(略)このアルプス山脈の最東端が、ウィーンの森である。つまり
ウィーンの森を歩けば、ヨーロッパアルプスを歩いたことになる。面白いことに『ウィーンは重厚な文化の町である。見所が多いのでハイキングなどしている暇などない』という観光客でも夕方となると自ずとウィーンの森に足を延ばす。市西北部にあるグリンツィングにホイリゲと呼ばれる楽しいワインレストランがずらりと並んでいるからだ。ここもウィーンの森の裾野である。(略)
ほろ酔い気分でアコーディオンやチターの演奏に拍手を送っていると『ウィーンにいるんだ』と実感できる。」
山口氏「私見だが、ウィーンを訪れる同胞の八割はドナウの本流を見ないで帰る。たとえ『ウィーンの森のバスツアー』に参加する人がいたとしても、九割はウィーンの森を自分の足で歩かずに帰ってしまう。
緑あふれる森を実際に足で歩き、小動物や小鳥と会話を交わし、遠くドナウ河やアルプスの裾野を眺め、帰りに造り酒屋の庭で喉の渇きを新酒で癒そう。ウィーンっ子が独り占めしている五感で味わうゾクゾクするような喜びは、少しばかりの勇気とこの幸せな環境を守る心の理解があれば、異国の旅人も温かく迎え入れてくれるだろう。」
山口氏のこの本は初版1996年で、2008年に再編集され『ウィーン旧市街とっておきの散歩道』という名で出版されました。
新しい本では写真が増えたぶん、面白い内容が大幅カットされ『
ウィーンの森』の項目は削除されてしまいました。
ですので、私は旧版を持参して
ウィーンの森に行ってみました。
引用はこの本からです。
山口氏も言われるように、よく「ウィーンの森ツアー」とあるのは南部のほうで、私が行くのは北部です。
朝8時少し前にホテル出発

地下鉄に乗ってハイリゲンシュタット到着。

目の前に『カール・マルクス・ホーフ』という名のアールデコ様式の集合住宅。

38Aという路線バスに乗ります。
途中で小学生がたくさん乗ってきて、楽しい。

一緒に行けたらいいな。
でもコベンツルの展望台で降りてしまいました。
「間違えてここで降りないように」と本に書かれているので、私は付いていけません。
終点カーレンベルクで若い人が数人、一緒に降りました。

大学か専門学校があるみたい。
教会の近くを通ってカーレンベルクの丘にむかいます。

ウィーン市街が見えます。

>ハイリゲンシュタットまで押し寄せている都市化の波をなだらかな葡萄畑の斜面がかろうじて食いとどめている様子が展望台の上から手にとるようにわかる。都市化の波を押しとどめたこの緑の丘は、実はトルコ軍のウィーン包囲の大波を防ぐうえでも決定的な役割を果たした。
この丘からレオポルヅブルクの丘まで30分ほどの散歩道を歩きます。
途中ヨゼフィーネンヒュッテを通り過ぎます。

まだ準備中。
こんな散歩道を歩いていきます。左上に車道があります。

レオポルヅブルクには教会とレストランがあるらしいのですが、このときはしまっていました。

この城はハプスブルク家の前の、バーベンベルク家のレオポルド三世が建てたものだそうです。

教会かレストランです。もっと遅く来たら入れたのかな。

反対側の展望台に行きます。


誰もいなくて困っていたところに自転車にのった男性がふたり現れました。
クロスターノイブルクとクロイツェンシュタイン城を教えてもらいました。
バーベンベルク家がここに来る前に宮廷をおいていたクロスターノイブルク

クロイツェンシュタイン城はよく見えないです。

さていよいよ本格的な
森歩きスタートです。
入り口が見つからず、ヨゼフィーネンヒュッテで働いている人にききに行きました。
憧れの
ウィーンの森。





聞こえるのは鳥の声と、時々草むらでカサっていう音だけ。
すれ違ったのは犬の散歩の女性と老夫婦だけです。
あ、鶏の世話をしている人もいました。
カーレンベルガードルフの村が見えてきました。

途中にこんな看板が。

この家についていました。

帰ったら調べてみよう。
ここでは工事の人や散歩をする夫婦など数人に会いました。
アイゼルハーナント小路を探したのですが、見つかりません。
何人かに聞いてみましたが、やはりたどり着けません。
「バスか電車でウィーン市街に向かおう…
」ちょうどバスを待っている人がいたので
「このバスはどこに行きますか?ウィーン市街に行きますか?」
と聞きたかったのですが、きけません。
でも知らないで乗ったらとんでもないところに行ってしまうかもしれません。
その人が
「この道路をくぐって向こう側に駅がありますよ」と教えてくれました。
カーレンベルガードルフの駅だ!
はりきって行ってみましたが、その駅が見つかりません。
自転車が次々通りすぎるだけ。
ドナウ川本流真ん中の中ノ島。

ようやく歩いている男性をみつけて尋ねたら
「ここには駅はないですよ。ヌスドルフまで歩かないと。」といわれました。
ここはカーレンベルガードルフではなかったのかしら??ここから、
森歩きが
ドナウ河沿い歩きに変わります。
スポンサーサイト