平塚市美術館に
わたしがえらんだいわさきちひろ展を見に行きました。

展覧会に先立って、美術館では、お気に入りのちひろ作品とその感想など
自由なメッセージを一般から募集、
著名人と一緒に絵のそばに紹介されています。
絵と一緒に楽しめて、あたたかい気持ちになりました。
平塚で人気のあった10作品は
こちらちなみに刈谷市のベスト10メッセージを送ったのは、女性が全体の75%


私の胸キュンは

お姉さんと赤ちゃん

おつむてんてん
おなじみの絵本も、原画で見たらすごく素敵でした




でもこんな綺麗な、可愛い、柔らかいのばかりではなくて
終わりのほうには戦争に関係ある暗い絵があったり
『顔をおおう自画像』という絵はまるで別人のようでした。
ちひろさんは、ちひろさんの描く絵のような人なんだろうとずっと思っていました。
ちひろさんの書いた次の文を読んだら、
彼女なりに悩みや悲しみもあったんだなと、初めて知りました。
亡くなる二年前のものです。
大人になること
人にはよく若かったときのことを、とくに女の人は娘ざかりの美しかったころのことを
何にもましていい時であったように語ります。
けれども私は自分をふりかえってみて、娘時代がよかったとはどうしても思えないのです。
とはいってもなにも私が特別不幸な娘時代を送っていたというわけではありません。
戦争時代のことは別として、私は一見、しあわせそうな普通の暮しをしていました。
好きな絵を習ったり、音楽をたのしんだり、スポーツをやったりしてよく遊んでいました。
けれど生活をささえている両親の苦労はさほどわからず、
なんでも単純に考え、簡単に処理し、人に失礼をしても気付かず、
なにごとにも付和雷同していました。
思えばなさけなくもあさはかな若き日々でありました。
ですから私の好きなももいろの洋服が似あったとしても、
リボンのきれいなボンネットの帽子をかわいくかぶれたとしても、
そんなころの私にはもどりたくはないのです。
ましてあのころの、あの下手な絵しか描けない自分にもどってしまったとしたら、
これはまさに自殺ものです。
もちろんいまの私がりっぱになってしまっているといっているのではありません。
だけどあのころよりはましになっていると思っています。
そのまだましになったというようになるまで、私は二十年以上も地味な苦労をしたのです。
失敗をかさね、冷汗をかいて、少しずつ、少しずつものがわかりかけてきているのです。
なんで昔にもどれましょう。
少年老いやすく学成りがたしとか。老いても学は成らないのかもしれません。
でも自分のやりかけた仕事を一歩ずつたゆみなく進んでいくのが、
不思議なことだけれどこの世の生き甲斐なのです。
若かったころ、たのしく遊んでいながら、
ふと空しさが風のように心をよぎっていくことがありました。
親からちゃんと愛されているのに、
親たちの小さな欠点が見えてゆるせなかったこともありました。
いまちょうど逆の立場にたって、私の若いときによく似た欠点だらけの息子を愛し、
めんどうな夫がたいせつで、半身不随の病気の母にできるだけのことをしたいのです。
これはきっと私が自分の力でこの世をわたっていく大人になったせいだと思うのです。
大人というものはどんなに苦労が多くても、
自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。☆☆☆拍手コメントのおへんじ☆☆☆
凪紗さん、こんばんは♪こんばんは
いわさきちひろさんの作品は絵本好きな子供だった私にとって馴染み深い作家さんです。
おやゆび姫や鶴の恩返しは日記の中で紹介されている本を読みました。
こども心にもすごく綺麗な絵だったので、何度も開いたり閉じたりして
絵本を眺めていた記憶があります。そうですか。
私も絵本好きで、でも「特にちひろさんが好き」というほどではなかったのですが、
今回その原画を見て、すっかりとりこになりました
紹介されているちひろさんのコメント素敵だなと思いました。
娘時代には戻りたくない理由が素敵だなと‥。
見た目は大人になることができても、心まではなかなか‥。
大人になるってどういうことなのか、考えているようで考えていないんだなと思いました。なるほど。同じコメントを読んでも、人それぞれ、受け取り方がいろいろで、
改めて考えさせてもらいました。
モーニング娘の同窓会の日記にも書きましたが、自分は楽しいはずの青春時代、性格悪く
それが自分でもとても辛かったのですが、
「全く正反対のところにいると思われたちひろさん」の文にそれが重なるところがあって、
感慨深いものがありました。
日々丁寧に生きて、じっと見つめていかなければ
大事なことはすり抜けていってしまうような気がします。
ちひろさんの作品を拝見すると、大切なことが消えてしまわないように、
じっと日々を見つめて生きた方だったのかなと思いました♪本当ですね。そう思います。
それで、稚拙ですが日記を書き、時々読み返したいと思う今日この頃です。
ありがとうございました。
凪紗さんもちひろさんの作品見にいかれたのですね^^さとしさんと、とに~さんの日記を読んで、行ってみたくなりました。
ちょうど近くで開催されてラッキーでした
ちひろ美術館にも絵本(あかちゃんがくるひ)の原画があって凄く素敵でした。とに~さんは、弟さんが生まれた時のことを思い出したと書かれていました。
ちひろさんの絵は、そういう風に子どもや弟妹の幼い日を思い出させる作品ですよね。
美術館に書かれていたのですがちひろさんの絵は画用紙に水性絵の具で描いた作品も多くあって油絵よりも痛みやすいそうです。
老若男女、幅広い年齢層が楽しめる素敵な作品ですから保存方法を考えて欲しいですね。今回、初めて
ピエゾグラフを見ました。
理系の方の活躍が期待されます。
美術館を見にいった時も男性はちらほらしかいなかったのでやはり、
アンケート結果同様に男性よりも女性に好まれるようですね。 そうですねー。
スポーツ観戦に行くと圧倒的に男性が多いんですけどね。
凪紗さんの書かれたちひろさんの言葉は
「ちひろの昭和」と言うちひろ美術館から出ている画集にも載っていました。購入されたんですね。
ちひろさんに限らず色々な作家さんや音楽家の作品以上に
その人がどんな人格でどのように考えていたのかということにも凄く興味を抱いています。
外面的なもの以上にその人の内面が凄く知りたいなと思うのは
昔よりも大人のかもしれませんね。そうですね、私もそういう傾向にあります。
もちろん、良い作品のあることが前提ですけど。
「大人というものはどんなに苦労が多くても、 自分のほうから人を愛していける人間になること」
と言うのも凄く判る気がします。この文はとても大事で、この展示で美術館側の一番言いたいことだったように思われます。
私はまだ、いろいろ考えている途中です。
ありがとうございました。
これも行ってみたい。
〔特別展〕ちひろ美術館コレクションミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち
スポンサーサイト